JOURNAL

土マニアのベビーリーフ

静岡にある枝村農園は、土でベビーリーフを育てる。水耕栽培にはしない。根から毛根が出やすいよう、土の配合と保水力に工夫を凝らす。必ずしも土で育てたほうが水耕栽培よりも美味しい野菜ができるわけではないらしい。大切なのは育て方。生産者の気質と作物との相性がピタッとあうことが重要だと言う。枝村農園がある牧之原近郊は、日本有数のお茶どころとして知られる地域。かつては枝村さんもお茶を栽培していた。その時に培った、土からいいお茶をつくるという気質がベビーリーフづくりに活かされている。(枝村さんは、土マニアらしい。)

茶畑のミニチュアみたい
茶畑のミニチュアみたい

ビニールハウスの中を覗くと、台の上にベビーリーフが並んでいる。レタス3種。菜っ葉6種。花壇のようにも見えるし、お茶畑のようでもある。1つのポットから、約250gのベビーリーフが収穫できる。「植物は、種、芽、ベビーの葉っぱなど、形が小さい時ほど、成長のエネルギーを蓄えている。それがベビーリーフを食べる魅力。」と枝村さんは言う。お茶も新芽を摘むのだから、彼の中では作物を育てる目線がきっと同じなのだろう。

若葉のエネルギーがいっぱい
若葉のエネルギーがいっぱい

日本茶を飲む人の数が減少して、牧之原台地の風景も変わりはじめている。夏も近づく八十八夜と歌われた茶畑が減り、伸び放題の荒地になってしまった茶畑もある。嗜好の変化には逆らえないが、ベビーリーフを食べながら、ちょっとだけ、静岡の茶畑のこと想像してみてはどうだろう。美味しさの向こうにある農家の想いを分かちあいたい。

ルッコラの赤ちゃん
ルッコラの赤ちゃん
2種類のレタス
2種類のレタス